ある歯科医院で、スタッフ教育についてこんな悩みがありました。
「半年前に中途入社した木村さん(仮名)が、院長やチーフ衛生士から指示したことを期日までにやらなくて、困っています。そのくせ、自分の都合はしっかり主張してくるんです。
どうしたらいいでしょうか?」
つまり、木村さんには「人をまとめる立場の大変さ」がわからない様子でした。
そこで、半年に一度おこなっている院内懇親会が近づいていたので、木村さんにその取りまとめ役、つまり幹事を任命することにしました。
飲み会の幹事と言うのは、周りが想像する以上に大変な仕事です。
・各人の好みや日程の都合をとりまとめして、日時とお店を選ぶ
・当日の仕切り役をおこなう
と、文字にすればそこまでですが、
・人の好みを取りまとめる大変さ(魚介類が好きとか嫌いとか、食材のアレルギーがあるとか)
・日時の調整をとりまとめる大変さ(家庭の事情で参加できる曜日と時刻が限定される中、
いかに最大公約数的に参加できる日時を選ぶか)
・スタッフの要望を聞いて、その返答をもらう際に、期日通りに返事をしない人に、個々に
確認をするわずらわしさ
・医院の予算の中で、いかに満足感の高いお店を選定するかのプレッシャー
・スタッフの家族を参加させるか否か。また参加するなら、飲み代の負担の一部(もしくは全部)
を医院が負担するかどうかを考える労力(決めるのは院長だが、その考えをまとめて院長に
交渉する)
など、スタッフの意見を調整し、お金のやりくりをうまく調整しながら、目的を果たすことになります。
その結果、木村さんは「人をとりまとめるのって、こんなに大変なんだ…」と気づいたようです。
人をまとめることの大変さに共感し、協力する気持ちになるには、「小さく上司(リーダー)の立場を体験する」のは、効果的な方法のようです。
ビジョンとお金の両立を実現させる専門家
ビジョナリーパートナー
和仁 達也
歯科医院のビジョン実現化をサポートするビジョナリーパートナー。
(株)ワニマネジメントコンサルティング代表
主な著書
「お金に好かれる人嫌われる人」
「世界一受けたいお金の授業」
「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」ほか多数
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