DentalXユーザーのみなさまへ

Dental X[R]への移行と、
DentalXサポートに関するお知らせ

■はじめに

いつもDentalXをご利用いただき、誠にありがとうございます。DentalXは2003年のリリース以降、全国5,900の歯科医院さまで導入いただいております。そして、2020年2月15日の中部日本デンタルショーにて、17年ぶりとなるDentalXの新シリーズ「Dental X[R](デンタルテン・アール)」を発表させていただきました。

Dental X[R] の構想については、10年前より、次世代DentalXとして開発することを宣言しており、このたび約5年の歳月をかけて『新時代の歯科医院システム』として開発を進めてまいりました。

すでにAppleは、ハードウエアやOS環境をすべて64ビット対応にしており、これから本格的に導入されるAIや5G、IOTといった新世代のプラットフォームとスムーズに連携していくための変革を進めています。これは、Windowsやその他のスマートフォン、家電やゲームなども同様で、64ビットに対応できなければ、今後標準となる多次元で大容量、高速化されたデータを処理することができなくなってしまうからです。
DentalXは、17年前に開発されたシステムで、これまで改良を重ねてきましたが、ベースは32ビットのまま。時代を追うごとに、圧倒的なスピードで進化するテクノロジーの恩恵を余すところなく享受することが、 Dental X[R] を開発した最大の理由です。

DentalXの後継シリーズとして、プラネットは大いなる覚悟(Resolution)を持ってDental X[R]をリリースし、新しいスタートを切ることをここに宣言します。

■Dental X[R]とは

Dental X[R]は、DentalXの延長線上ではなく、データベース構造からゼロベースで設計した、64ビット対応の新しいiPadアプリケーションです。すべての操作をiPadで行う革新的なシステムは、きっとみなさまの予想をはるかに超える自信があります。

2013年にリリースしたiQalteとDental Hubは、1台のMacをデータサーバ専用機として準備し、実際の操作はすべてiPadで行うという斬新なシステムとして提供を始めました。しかし当時は、キーボードやマウスに慣れてしまっている現状から、切り替えるのは不安だという方がたくさんいらっしゃいました。

では、現在はどうでしょうか? いまやiPadはパソコンと変わらぬ性能を持ち、日常生活やビジネスシーンなどあらゆる場面で使われています。おかげさまでiQalteとDental Hubを導入された歯科医院さまは、全国に970件。DentalXユーザーの5件に1件が活用されており、この蓄積されたノウハウの先に、今回の Dental X[R] があります。

■すべての歯科医院さまの理想をカタチに

Dental X[R] は、10年先を見据えたシステムとして開発されています。

まず、Macの前に来て操作することから、みなさまを解放します。例えば、写真の取り込みや整理、プレゼンテーションはもちろん。診断書や歯科衛生実地指導のコメントの編集もiPadで。治療計画やリスクチャートを作ることや、患者さん向けの600以上のコンテンツをその場ですぐに印刷できます。

検査入力では、一歯に対してカリエスや充填などを複数入力できる窩洞面入力に対応。Brや義歯は、部位をまたいで一装置単位で入力ができたり、ムシ歯経験値(dft/DMFT)や残存歯数のカウントがスタンダードに。みなさまからのご要望が多かった、ムシ歯項目に歯根破折が追加されたり、歯周検査表に分岐部の部位が表示されるなど、一元管理できる情報が増えました。

また、DentalXが最も大切にしている、患者さん目線のわかりやすい情報提供がさらに進化。特にイラストのディティールにこだわりました。新しくデザインされたパーツの数は2万点以上。それらを組み合わせることで描かれるイラストは、iPadの画面でも美しくなめらか。診断書に表示する内容も、患者さん目線で伝える情報をよりシンプルに。もらって嬉しくなる、きれいな診断書に仕上がりました。

そしてついに、 Dental X[R] では、iQalteとDental Hubが標準化され1つに。検査や映像のデータだけでなく、来院履歴やカルテの情報も1つに集約され、あらゆるデータと繋がるようになりました。みなさまからの期待を胸に、未来の歯科医院のシステムを生み出す先駆者として、プラネットはDental X[R] のさらなる進化をお約束します。

■DentalXユーザーのみなさまへ

Appleは、macOS10.15以降の環境では、64ビット対応のアプリケーションしか動作しないという決断をしました。そのため、32ビットのDentalXが動作するのは、macOS10.14までとなり、最新のmacOS環境ではご利用いただけなくなります。

そこで、みなさまへの重要なご案内となります。

Appleからの、macOS10.14環境のハードウエアの提供が、2020年3月末で終了となりました。これは、DentalXで使用中のMacが故障などにより買い替えが必要となった場合、またはクライアントを追加したい場合に、今後プラネットから、DentalXが動作するMacを準備できなくなることを意味します。

そのため、プラネットでは、DentalXユーザーのみなさまをDental X[R] に切り替えるための「移行ツール」を用意し、すべての歯科医院に Dental X[R] をご利用いただくための準備を進めてまいります。

■Dental X[R]への移行

Dental X[R]は、DentalXという名前がついていますが、基礎となるとなるデータベース構造やプログラム環境、ハード構成に至るまで、すべてがDentalXとは異なる新しいシステムとなります。

今回、DentalXからDental X[R] に切り替えいただく際に、みなさまにご協力をお願いしたいことがあります。

1つ目は、
Dental X[R]を快適にご利用いただくためのハードウエアのご準備。
例えば、5年以上前にDentalXを導入された医院さまには、最新のMacやiPadの購入をご提案させていただきます。

2つ目は、
安定したネットワーク環境の構築。
Dental X[R]の操作はiPadがメインとなるため、安定した無線WiFi環境が欠かせません。トラブルの発生を抑えるための業務用機器による無線ネットワーク環境の構築と、サポートには欠かせないインターネット環境をご準備いただく必要があります。

3つ目は、
移行作業の費用について。
現在、DentalXに蓄積されたデータは、新しいDental X[R]のデータベースにデータを変換しながら移動させる作業(データコンバート)を行います。医院の大切なデータを扱うため、こちらは専属のスタッフが一医院さまごとにコンバート作業を行います。みなさまには、今回のDentalXからDental X[R]への移行作業料として、198,000円(税込 217,800円)のご協力をお願いしております。

一般的には、新しいシリーズがリリースされた場合、多くのメーカーではユーザー医院に対し、再度システムを購入していただくスタイルとなりますが、プラネットはパートナーズクラブメンバーのみなさまに対し、Dental X[R]のソフトウエア料金1,298,000円(税込 1,427,800)を無料とし、移行作業の費用をご負担いただくカタチとさせていただきました。
また、iQalte・Dental Hubをすべての医院さまにお届けするため、初期費用のソフト代100,000円(税込 110,000円)を無料 とし、いつでも利用料のみでスタートできる環境を準備させていただきます。

なお、Dental X[R]の月会費は、これまで支えていただいたユーザーさまへの感謝の気持ちを込めまして、そのまま「据え置き」とさせていただきます。また、医院さまへの最適なDental X[R]の運用のご提案、および移行作業に関するご相談は、プラネットのスタッフが担当いたします。

■移行スケジュール

プラネットは25年の歴史があり、DentalXの前身であるDental7から長期にわたって運用いただいている医院さまも少なくありません。そのため、運用状況や使用期間により、取り込まれているデータ量や内容にも違いがあります。プラネットは、現在稼働中のDentalXユーザー5,900医院すべてのデータコンバートを2年間で実施するという目標を掲げ、移行スケジュールを計画しています。

<Dental X[R] 移行スケジュール>
1)2020年4月〜6月  移行ツールの開発・試験
2)2020年7月〜9月  移行システムの構築・運用テスト
3)2020年10月〜   移行受付開始・移行作業スタート

すでに新規導入の医院さまへは Dental X[R] の販売がスタートし、移行ツールの開発がスタートしています。計画では、6月までに移行ツールの動作試験を完了し、7月から3ヶ月間で実際の医院さまでのコンバート作業を行いながら、受付から移行作業完了までの流れを構築します。そして、2020年10月より移行受付を開始し、全国のDentalXユーザーのみなさまへDental X[R]の移行を実施していきます。

■DentalXの今後のサポート

DentalXは、macOS10.14までの環境であれば、変わらずにご利用いただけます。ただし、macOS10.15以降の環境ではDentalXは動作させることができません。

また、macOS10.14環境のハードウエアの提供が2020年3月末で終了となり、プラネットにてDentalXが動作するMacを準備することができなくなりました。Dental X[R]の移行受付が開始される前に、万が一、Macが故障するなどのトラブルが発生した場合には、可能な限りの対応をさせていただきます。

なお、今後のDentalXへの新機能の搭載やバージョンアップは2020年3月をもちまして終了となります。

■おわりに

Dental X[R]のリリースに際し、全国のショールームや各エリアでお披露目会や説明会を行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で実施できない状況が続いております。今後はインターネットを通して、Dental X[R]の情報を随時公開していく予定です。なお、医院さまへのデモンストレーションや移行相談なども、Webシステムを利用して実施する準備を進めていますのでご期待ください。

まだまだ大変な時期が続きますが、プラネットはみなさまのパートナーとして、魅力ある豊かな歯科医院づくりを支え、国民の全身健康に貢献したいと願っております。Dental X[R]を通して、新しい時代の希望を一緒に分かち合えるよう、常に挑戦する姿勢を忘れず、みなさまと共に変化し、成長を続けていく所存です。