最近セミナー受講生から「院長から『好きなようにしていいよ』と言われるのですが、どうしていいか解らないのです。」という相談を多く受けます。先生方はこのようなことをスタッフ、あるいは誰かに言った経験はありませんか?また、それはどんな思いで言ったのでしょうか?
私は8年前新築した時に、12歳の息子と8歳の娘に自分の部屋は『好きなようにしていいよ』と条件付で言いました。その条件とは、
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みんなで使う部屋に私物を置いたままにしないこと |
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自分の部屋は汚くしていてもよいが、私物は自分で管理すること |
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学習机の上には、勉強できるように物は置かないこと |
この3点です。結果、年齢的なこともありますが、目も当てられないほど片付いていない部屋にはなりませんでした。私が子どもたちに「好きに部屋を使っていいよ」という言葉の裏には、共同生活のルールを守りながら自分で勉強できる環境を作り出す、つまり「自己管理」を促す企みがあったのです。概ね成功したと思っています。
しかし、セミナーに参加した彼女らの悩みは、「新規開業で院長は『好きにしていいよ』というのです。でも先輩衛生士もいないし、私は卒業したばかりで歯磨き指導一つにしても、どう指導していいのか、自分の指導が正しいのかさえも解らないのです」と私に相談してきます。また大学卒業後してから衛生士になったという新卒衛生士は『好きなようにしていいよ』と院長に言われ、自費クリーニングをしているそうですが、自分の施術に対し、患者さんからいくら頂いているか把握していませんでした。当然保険点数など理解していません。
このような状況で院長先生が『好きなようにしていいよ』と言って、彼女たちに仕事をさせるのは危険です。セミナーの中で症例を通し、歯科受診する患者の主訴から問題解決、そしてその患者が目指すゴールを話すと彼女たちは自分たちの役割が理解できるようです。
DO as you like を訳すと「好きなようにする」「勝手にする」となります。勝手にする=他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと、になります。
そして「好きなようにしていいよ」と言う院長先生ほど、新卒衛生士を雇用する傾向が多いようです。これは私のような臨床経験衛生士には、暗黙の条件(僕色に染まってくれるなら)の下なのか、あるいは放任主義なのか、どちらにも受け止められます。
しかしながら歯科衛生士業務が拡大し、予防はもちろん口腔ケア業務が重要視されている今、歯科医師と歯科衛生士の役割は大きく違ってきています。その業務を理解していない歯科医師が、この役割を理解できていない臨床経験の浅い歯科衛生士に「好きなようにしていいよ」と言い放すのはいかがなものでしょうか。そこには医院としての方針や理念の下に、双方の役割が機能する環境作りやシステムを構築すべきデッスカッションが、幾度となく必要になるのではないでしょうか。 |

<プロフィール>
歯科衛生士 長岐祐子
<略歴>
1963年 東京生まれ
1983年 北原学院衛生専門学校卒業
医療法人一秋会 遠藤歯科クリニック勤務
1985年 退社
1985年 医療法人明和会 中通歯科診療所勤務
1989年 退社 (子育てに専念)
1996年 フリーとして開業医勤務
2000年 医療法人東京堂 港町歯科クリニック勤務
2005年 6月退職 10月さいとう歯科クリニック勤務
<主な活動>
2001年
スタディーグループ Y/N's会を発足
(グループ内での研修会・健康教室など行う)
2004年
健康管理士資格修得
日本ヘルスケア研究会歯科衛生士卒後セミナー終了
2005年
TBI/PMTCセミナーアシスタント
9月より「コーチング実践セミナー」
10月日本ヘルスケア歯科研究会秋のシンポジウム「歯科衛生士活動報告」発表
・日本ヘルスケア研究会正会員
・日本歯周学会会員
・日本歯科衛生士会会員
<主な発表>
2002年
「予防のマネジメント」日本歯科衛生士会学術大会
2003年
「予防のマネジメントにおける歯科衛生士の働き」デンタルハイジーン7月号
「歯磨き指導からセルフプロデュースへ」デンタルハイジーン11月号
2004年
「磨けば楽しい話す力」 デンタルハイジーン3月号
診療室拝見:港町歯科クリニック デンタルハイジーン9月号
2006年 「ヘルスケア歯科シンポジウム」報告 デンタルトリュビューン5月号
2006年 デンタル ウェーブ
http://www.dentwave.com/
コラム連載中
<趣味> 映画鑑賞・読書
<ストレス発散方法> カラオケ
<特技> ありあわせ材料で簡単クッキング |