前回お伝えしたマーケット分析では、ドットマッピングという手法をつかってどの地域から患者さんが来院しているのかを把握し、患者が多くきている自院の「強い地域」で、さらに強みを発揮するが良いとお伝えしました。
では、「自院の強みは何なのか?」を今回は具体的に分析する手法をお伝えします。
1 地域アンケートの実施
自院の強みを知るということは、逆に自分の医院の弱みを知ることでもあります。そこで、対象となるマーケットで「地域アンケート」を実施します。
実施にあたっては、アルバイトを依頼する必要があります。なぜなら街頭でのアンケートになりますので、顔が割れているスタッフやDrでは気まずい思いがするからです。もちろん、「そんなの関係ない!」と言い切れるスタッフやDrであれば問題ありませんが……
アンケートでは次の項目を調査します。
1 どこの医院に通っている(通ったこと)があるか?医院名は?
2 なぜ、その医院に通ったのか?
3 その医院の評判はどうか?
4 どんな歯科医院に行きたいか?
以上4点です。こんな調査内容で、医院の強みや弱みがわかるのか?といった質問も過去にありましたが、街頭でのアンケートではできるだけ簡潔で短い質問項目にしないと答えてくれる人がいないのです。
また、街頭アンケートの実施者には対象者に不安を与えないよう「地域医療調査研究会」などの名刺を作り、必ず渡してからアンケートを採るようにします。
できれば、アンケートに答えてくれた人には「歯ブラシ」などのグッズをあげると好意的に答えてくれます。
対象の年齢や性別は記入させるのではなく、実施者の判断で記入します。
質問にあたっては○×式ではなく回答をそのまま書くようにします。
そうしないと、アンケートの誘導によって予想された結果になってしまいかねません。
質問を行う場所も重要です。駅の構内、駐車場出入口、駐輪場出入口、住宅街であれば公園、四つ角、スーパーの前などある程度調査ポイントを広めに設定します。これは、交通手段によるアンケートの偏りをなくすためと、幅広い年齢層を調査対象にするためです。
調査時間は、朝、昼、夕方の3つに分けます。こうすることで、地域の大方の情報が得らます。
調査結果は多ければ多いほど良いのですが、最低でも100サンプルは入手するようにしてください。
2 地域アンケートの分析
さて、調査結果が集まったら、いよいよ分析に入ります。A歯科の調査結果(有効サンプル数110)をご報告すると、
1 通っている医院 A歯科-35、B歯科-23、C歯科-47、D歯科-7、その他-5(複数回答7)
2 なぜ、その医院に通っているのか?
近いから、家族が行っている、評判を聞いて、治療が上手etc
3 その医院の評判は?
うまい、安い、痛い、待たせるetc
4 どんな歯科医院に行きたいか?
日曜診療、きれい、早い、安心etc
のようになりました。もちろん、2〜4の質問は各医院ごとにでていますから患者さんの医院の評価がわかります。
A歯科では、分析の結果、地域では、No2であり、評判はまあまあでした。
しかし、個別にみるとどうもB歯科の待たせないという評判がNo2に甘んじている理由のようです。
この分析と、すでに通っている患者さんへのアンケートを元にA歯科では、アポイントを工夫し、患者さんを絶対待たせない努力をし、レセプト枚数を2割アップさせることに成功しました。
こうした、アンケートは定期的に実施していかないと効果は薄いですが、確実に自院のおかれている状況を把握することが可能です。
敵を知り、己を知れば百戦危うからず!是非皆さんも実施してみてください。
|
<プロフィール>

株式会社インサイト代表
渡辺慶明
1958年
1月福岡県北九州市生まれ
1980年
3月慶應義塾大学法学部卒業
4月株式会社全日空商事入社
1985年
11月株式会社全日空商事退社
1986年
1月株式会社アキラックス入社
7月株式会社アキラックス取締役就任
同社企画部長として数多くの歯科医院コンサルティングを行う
1997年
11月株式会社インサイト 創業 代表取締役就任 コンサルティング業務を手がける
1998年
6月株式会社アキラックス退社
2002年
7月中古歯科医療機器販売を開始
2004年
1月中小企業経営革新法承認企業となる
2004年
12月資本金を1億251万に増資
2005年
1月千葉県ひまわりベンチャー育成基金賞受賞株式会社
インサイトホームページ
http://www.area-one.biz/ |