院長とスタッフの間にある目に見えない壁 その16
株式会社ビジョナリープラネット代表 ビジョナリーパートナー 和仁達也


こんにちは。ビジョナリーパートナーの和仁達也です。

前回の続きです。(開業したドクター10名との対談内容をシェアしています)院長とドクターの間に横たわる目に見えないカベについて、話をしています。



ミーティングを開こうと思うと、「いざ開いたものの、ミーティングの場がシーンとしませんか?どう仕切って、何を会話したらいいのかが分からないのですが?」いうドクターも結構います。私の本の読者からメールが毎週のように届くのですが、その中にもそういう悩みがよく書かれています。日本人同士だから言葉が通じない訳じゃあるまいし、何でも良いんじゃないか(笑)と思うんですけれどね。

まず最初は、課題を提示しておくと良いでしょう。何かについてテーマを決めて、1時間でも30分でもいいから、話し合ってみるところからだと思うのです。
「ミーティングをやっても、うちはスタッフがみんなおとなしいからシーンとしてしまうので、やらなくなっちゃいました」という話は多いです。
「シーンとしてしまうのではないか」という不安でその第一歩を踏み出せない人は、小さなステップから始めてみることでしょうね。

ドクター「ミーティングを躊躇する理由の1つとして私たち院長が一番考えるのは、稼働日が減ることなんです。我々は患者さんを診療する時間に比例して収入が上がるじゃないですか。その時に実感として、例えば週1日とか月1日とか診療をなしにして1日ミーティングにした方が絶対に医院のためには良いのだ、という確証が持てないのです。」

ミーティングを必ず週に1日とまではは言いませんけれど、やはり定期的に必要ですよね。私は最低でも月に1回はミーティングを行うことを提案しています。
例えば月に1回やると、少なくとも半日は診療時間がつぶれますよね。もしこの半日を診療にあてた場合、いくら収入が上がるかという計算は出ますよね。目先の利益を追えば、そちらが惜しくなるのですが、長期的に理念に沿った医院づくりを目指すのであれば、ミーティングをやる価値はあると考えます。それをやらなかったために、大きな損失を招いてしまったケースはよくあります。スタッフの不満がたまり、院内の雰囲気が悪くなって、突然大事なスタッフが辞めてしまうとか、院長がスタッフに依頼事をするのが気が引けて、自分で全ての業務に手を出して忙殺されたり。そして、医院の良さが薄くなって、患者さんが離れていくとか、そういうケースは実際にあります。

小池「私もミーティングは時間を確保してきっちり行った方が良いと思います。なぜかと言うと理由があるんです。歯科医師という職業は、専門知識を使って価値を生み出す仕事ですよね。つまり成果を上げるということは、知的生産性を上げるということですよね。労働生産性じゃありませんね。労働生産性というのは知識ではなく単純労働なのです。工場で働くとか、田んぼで耕しているとか。そういう仕事は専門知識とか心に依存する部分が少ないので、ミーティングは必要ないのです。ただ、長い時間やれば良いのです。

ところが歯科医院の場合、ミーティングすることが知的生産性を上げることになるのです。つまり、収益につながるということです。これは確実にやっていかないと、収益も一定以上上がりません。」

「そこで具体的にどうやって考えるかですが、私の場合はビジョンから逆算して考えます。例えば『2年後には月1日はミーティングに取ろう』というミーティングのビジョンを決めるのです。要するに、やるという前提で、そこからさかのぼって考えると、今どうすれば良いかが分かります。今始めるのか、まだ始めないのか。今始めるとしたら、最初は30分程度の短いミーティングで良いとして、2年後には丸1日使ってミーティングができるようになるために、どのように内容を充実させていけば良いか。そうやって、やることを前提にして考えていくと、いろいろとアイデアが浮かんできます。」

<次回に続く>
<プロフィール>

ビジョナリーパートナー
和仁達也
(株)ビジョナリープラネット代表取締役。さらに(株)ワニマネジメントコンサルティング代表とユメオカLLP会長も務める。歯科医院や中小企業のコンサルティングのほか、会計事務所が顧問先とパートナーシップを築く仕組みづくりを支援している。著書に「脱★ドンブリ経営」「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」(共にダイヤモンド社)「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)ほか多数。

和仁達也 公式ホームページ
http://www.wani-mc.com/