こんにちは。ビジョナリーパートナーの和仁達也です。
前回の続きです。(開業したドクター10名との対談内容をシェアしています)
院長とドクターの間に横たわる目に見えないカベについて、話をしています。
ドクター「開業する時に、そのスタッフを選んだのは誰かというと、我々院長なのです。だから、自分が選んだくせに、いつもスタッフが悪いと嘆いてばかりいるのは本当はおかしな話なんですよね。これはよく考えると、非常に矛盾した話なのです。だから最初の選定能力があるのかどうかは我々、経営者にかかっているわけです。そこに目を向けず、相手にばかり非があるように言うのはよくないですね。」
今、歯科界全体でみると、衛生士の数が医院数よりも少ないくらいですから、募集をしてもなかなか人が来ないというケースが多いと思います。だからこそ、優秀な人材に自院を選んでもらえるだけの魅力を打ち出さなければいけない、というところもあります。
それは、給与とか勤務時間とか、土日休みとか、あるいは仕事のスタンスなどあると思います。そして、いかに魅力的な医院なのか、いかにやりがいのある医院なのかということをきちんと伝えないといけませんよね。それは大前提だと思います。
ところがおそらく多くの医院では、就職希望者が来たらもうそれだけでありがたいという感じで、選ぶ余地がないというのが現状ではないでしょうか。そういう状況でも、もし条件を良くすれば、もっと人は集まるのでしょうか?
ドクター「そうだとおもいますよ。集まると思います。」
ドクター「いや、そんなことはないでしょう。ウチは全然来ないですよ。私の医院は決して条件は悪くないと思うんです。一番上のスタッフは年収が300万円を超えていて、もちろん新卒で入ってくる最初はベースが抑えられていますけれど、昇給率についても最大10%までみています。ちゃんと能力があがれば報酬も上がるようなシステムになっているし、収入が上がればスタッフ達にボーナスとして出すようなシステムにしています。それでも、募集をかけても来春に採用したい人は、未だに一人も来ていないです。」
そういうケースもあるんですね。これは地域によって違いもあると思いますが、やはり業界全体における人材不足という話なんですよ。業界の課題ですね。
ドクター「そう、業界の課題があると思うんです。それから今の若い人が、歯科衛生士になることに対して、そもそもの魅力がないのかもしれない。」
要するに、「歯科衛生士=給料が低くて、やりがいが見出しにくい」という定説がもしあったとすると、歯科衛生士の専門学校に入った人でさえも歯科以外の全く違うところに就職してしまう人がいるわけですよね。これは業界の課題だと思うんです。
このまま、つまらないという定説がもっと広がっていってしまうと、歯科界としては受け皿がなくなるわけですから、ドクターはますます苦しくなってしまいます。これは業界として何とかしようという次元の課題だと思います。
一方、個々の医院でなんとか対処できる次元の中で考えるとすると、今までの話を整理すると、「こちらが何を期待しているかを、ちゃんと明示する」そして「採用する時の条件(金銭面、勤務体系など)を相応に提示する」の2つは重要ですね。「院長としては、これぐらいのことは前提として当然やってもらえると考えているから、これだけの報酬を出すんだよ」というところをちゃんと伝えているかどうか、ですね。
多くの場合、採用する時に、どんな人が欲しいかを院長自身がよく分かっていないということがあるじゃないですか。つまり人が足りないから入れる、みたいに。そういう場合に、そこまで深く考えていないかも知れません。
「お、入ってきたか、よし、人手は足りた。良かった。」みたいな感じで(笑)。
ちょっと落ち着いて余裕が出てくると、そのスタッフの至らないところが目についてくる。
だから、そうなって後悔する前に、「このスタッフに何を期待し、どこまでの仕事をしてもらいたいか」を先に決めておかないと大変です。雇うというのは、ある意味その人の人生の一部を背負うわけですからね。前提をきちんとそろえておくことはすごく大事なことだなと、皆さんのお話を聞いていて思いました。
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<プロフィール>

ビジョナリーパートナー
和仁達也
(株)ビジョナリープラネット代表取締役。さらに(株)ワニマネジメントコンサルティング代表とユメオカLLP会長も務める。歯科医院や中小企業のコンサルティングのほか、会計事務所が顧問先とパートナーシップを築く仕組みづくりを支援している。著書に「脱★ドンブリ経営」「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」(共にダイヤモンド社)「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)ほか多数。
和仁達也 公式ホームページ
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