お金の流れの全体像 その7
株式会社ビジョナリープラネット代表 ビジョナリーパートナー 和仁達也


前回、「減価償却費の繰り戻し」という、ちょっと難しくて特殊な費用のことについて触れました。今回はそれについてきちんと説明したいと思います。



さて、医院の運営に必要な設備のコストとして、主にリース料、地代家賃、減価償却費などがあります。この「減価償却費」というものは、実はお金の支出を伴わない費用なので、キャッシュフローを見る際は、一度費用として「その他の固定費」に計上していた減価償却費を繰り戻してやる必要があるのです。



あ、意味が分かりませんか?

そうですよね〜、これはちょっと分かりにくいところなんです。だから、ここでは理解できなくても、全然気にしないでください。ただ、もう少しだけ説明をしておきましょう。

 例えば、3年前に300万円の車を購入したとします。税務上、一定金額以上の備品は資産扱いになりますので、300万円を丸ごと経費に計上することはできません。また、車はその購入した年で使い切るものではなく、何年にも渡って使うものですよね。だから、経費ではなく、資産として扱うのです。この点は理解できますか?

「はい、それは分かります。」

そして、車の法廷耐用年数は6年と決まっていて、つまり6年で使い切ることを前提に、購入金額の6分の1を毎年経費として計上して良いとされているのです。よって、1年に50万円ずつが経費となります。

「すると、どうなるのでしょうか?」



 すると、固定費が50万円分増えますよね。その分、利益は50万円減ります。税金は利益の大きさに応じて決まるので、利益が減れば、税金も減るわけです。それは、分かりますか?

「まあ、分かります。」

そして、税金を引いた後に、税引後利益が医院に残るわけですが、3年前に買った車の減価償却費は、「お金の支出が伴わない経費」だと言った通り、本当にお金が減っているわけではないので、ここで繰り戻してやると、そこで本当に医院に残るお金が分かるのです。

「なるほど、なんとなく分かりました。」

OK!ここでは、その程度の理解で十分です。今回の図では、減価償却費を4としたので、税引後利益7と減価償却費4で合計11が医院に残るキャッシュフローとなります。

でも、ここで終わりではないのです。このあとに、歯科医院では絶対に忘れてはならない支出があります。この続きは次回、詳しくお話ししましょう。

では、また!

【和仁からのお知らせ】

今回からのお話は、拙著「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)の中でお話している、「お金の流れの全体図」を中心に進めていきます。このコラムだけでも理解できるよう、噛み砕いてお話ししていきますが、まえもって予習をされたい方、もっと早く先を知りたい方には、こちらをお読みになることをお勧めします。仙台の実在の歯科院長とわたしが二人三脚で取り組んだ実践ノウハウを、ドキュメントタッチで紹介しています。

「キャッシュフロー経営って?ドクターをお金の悩みから解放する 」
和仁 達也 (著), 原 正幸 (著)
<プロフィール>

ビジョナリーパートナー
和仁達也
(株)ビジョナリープラネット代表取締役。さらに(株)ワニマネジメントコンサルティング代表とユメオカLLP会長も務める。歯科医院や中小企業のコンサルティングのほか、会計事務所が顧問先とパートナーシップを築く仕組みづくりを支援している。著書に「脱★ドンブリ経営」「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」(共にダイヤモンド社)「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)ほか多数。

和仁達也 公式ホームページ
http://www.wani-mc.com/