こんにちは。ビジョナリーパートナーの和仁達也です。
前回は、売上を【変動費】と【粗利】に分けて考えることをお話ししました。
【変動費】には、材料代、外注技工料、物販商品の仕入原価などがあるんでしたね。
そして、これらはそのまま医院の外に流れていく支出ですなので、売上からこの分を引いた分、すなわち【粗利】を医院の正味の収入としてみることが大切なのです。

ちなみに、売上高に対する粗利の割合のことを【粗利率】と言います。通常、歯科医院の場合、80〜90%の範囲内になることが多いようです。この【粗利率】は高ければ高い程、医院の実質の実入りが大きいことになるので、好ましいと言えます。だって、100万円の売上があって70万円が医院に残る(粗利率70%)のと、90万円が残る(同90%)のでは、誰だって90万円を医院に残したいですよね。
ただ、実際には何でもかんでも医院内でやろうとすると、その分、スタッフを多く抱えなければならなかったりしますよね。すると、後でも説明しますが固定費が大きく膨らんでしまい、利益が出難い構造になる恐れがあるのです。だから、一概に粗利率のアップだけを追求するのは問題かも知れません。
なお、この【粗利率】というのは、業種によってかなりの差があります。
たとえば、コンビニなどの小売業の場合、【粗利率】は20〜30%ぐらいです。
仕入れたものに対して加工をせず、そのまま売るわけですから、お店としての実入りはあまり大きくありません。その分、たくさん売って【粗利】を稼ぐスタイルになります。
一方、レストランなどの飲食業の場合、60〜70%ぐらいになります。仕入れたものに対して調理という加工をするので、その分、お店としての価値が高まり、実入りが大きくなります。しかも、接客というサービス面が強化されると、それもお客さんに対する価値として認められれば、それが価格に反映し、【粗利率】のアップにつながることがあります。
そう考えると、歯科医院の【粗利率】80〜90%というのは、かなり付加価値の高い仕事といえますね。つまり、小売業と違って材料をそのまま患者さんに渡しても何の価値もなく(当たり前です)、それにドクターの技術力やスタッフの対応の良さ、医院の雰囲気なども含めた価値を乗せて提供することで、対価をいただいているのです。
保険診療だと、患者さんから直接いただくお金(=医院の売上)のは全体の3割程度で、残りは国からだったりするので、そのあたりの感覚がピンとこないかも知れませんが、自費診療だとまさにこのことがよくわかると思います。
今回は歯科医院の【粗利】と【粗利率】についてお話ししました。
次回は 【粗利】からさらにどのような支出が発生するのかを一緒に考えていきましょう。
では、また!
【和仁からのお知らせ】
今回からのお話は、拙著「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)の中でお話している、「お金の流れの全体図」を中心に進めていきます。このコラムだけでも理解できるよう、噛み砕いてお話ししていきますが、まえもって予習をされたい方、もっと早く先を知りたい方には、こちらをお読みになることをお勧めします。仙台の実在の歯科院長とわたしが二人三脚で取り組んだ実践ノウハウを、ドキュメントタッチで紹介しています。
「キャッシュフロー経営って?ドクターをお金の悩みから解放する 」
和仁 達也 (著), 原 正幸 (著) |
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<プロフィール>

ビジョナリーパートナー
和仁達也
(株)ビジョナリープラネット代表取締役。さらに(株)ワニマネジメントコンサルティング代表とユメオカLLP会長も務める。歯科医院や中小企業のコンサルティングのほか、会計事務所が顧問先とパートナーシップを築く仕組みづくりを支援している。著書に「脱★ドンブリ経営」「逆ザヤ社員が稼げる社員に変わる法」(共にダイヤモンド社)「キャッシュフロー経営って?」(デンタルダイヤモンド社)ほか多数。
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