先日あるセミナーでお会いした先生が、“いろいろと手をかけて育ててきた衛生士が辞めてしまった。”と嘆いてらっしゃいました。次の衛生士を雇ってまた育てていかないと、と。その先生にとっては衛生士を育てること=いろいろ教えてあげること、のようでした。裏を返せば、こちらがいろいろと教えてあげないと衛生士は育たない、と。そうでしょうか?
生意気を言うようですが、衛生士もいろいろと考えているものです。そして院長先生のこと、医院のこと、患者さんのこと、スタッフのこと、をいろいろと見ているものです。感じているものです。ただその思い、を発する場があるか、伝える術があるか、です。
昨年行なわせていただいた歯科医師と歯科衛生士のペアミーティング、で、アンケートを実施しました。そこで先生方に“自分の思いはどのくらいスタッフに伝わっていると思いますか?”とお尋ねすると、その回答はさまざまで、低い方で40%、高い方で80%、平均すると56%でした。そして注目すべき結果が、“お互いに相手に期待すること”。歯科医師が自院の衛生士に期待すること、の上位は患者さんとの信頼関係の確立。技術的向上。でした。衛生士が自院の歯科医師に期待すること、の上位はスタッフとコミュニケーションをとって欲しい(何でも話せる環境が欲しい)。感情の起伏を抑えて診療して欲しい。でした。プラネット歯科開業.comをご覧の皆さん、いかがですか?スタッフは上司である院長先生の機嫌に敏感です。今日先生機嫌良いよね、悪いよね、スタッフルームでの会話として珍しくない話題です。スタッフとのコミュニケーションをどうとって良いのかわからない、とのお話も良く耳にしますが、スタッフは褒めるときは褒め、ダメなときはダメなところを言って欲しいのです。ダメなときはダメと言うんじゃないです。女性は否定されると落ち込みます。感情的になります。先生だってスタッフ個人を否定したいわけじゃないはずです。スタッフの“こういうところ”を“こうして欲しい”。があるから不満に思うはずです。スタッフも同じです。先生の“こういうところ”が“こうなって欲しい”と言う思いがあるから不満に思っているんです。そしてその不満→思いを聞いて欲しいからこそ、もっと何でも話せる環境が欲しい、と思うのです。でも先生の“機嫌”がネックになるのです。“機嫌が悪い”のは“機嫌が良くなって欲しい”に決まっています。ですがこれはスタッフにはどうしようも無いことです。感情の起伏を抑えて診療して欲しい、と言うしかありません。先生方はスタッフにもっとこうなって欲しい、ああなって欲しい、を伝えたことがありますか?そしてそれに対するスタッフの思いを聞いたことがありますか?
きっとこう思っているに違いない、こういわれるに決まっている、ではなく、例えそうだとしても直接本人の口から聞くことが大切です。スタッフにしてみても、そう言う思いを直接言葉で言えることにとても意味があるのです。
不満、て誰のためにもならないんです。とそのペアミーティングの際に発表させていただきました。不満ばかりでは毎日の診療も楽しくないですし、患者さんのためにも、院長先生のためにも、医院のためにもなりません。根本的に、私は何でも楽しむタイプの人間です。楽しくない毎日が続いたとき、なんとかそれを打破しようと考えました。もちろん医院を辞めることも考えました。でも先生はともかく患者さんとの関係は良好でしたので、踏みとどまりました。それに他院に移る勇気もなく・・・。そこで、不満を全て紙に書き出したことがあります。先生に対する不満、医院に対する不満、自分自身に対する不満。書き出すことで気持ちに整理がついたのと、その裏にある希望に気づきました。不満だって、医院に対する、院長に対する、大きな気づきなのです。それを愚痴で終わらせるか、お互いを向上させる意見にするかは自分次第なのだと気づきました。そして院長との話し合いへとステージを進めました。不満ではなくその裏にある建設的な意見に変えて伝えたつもりですが・・・そう上手くも行きません。いろいろ言われるのはお互い嫌なものですよね。次回院長との話し合いについてお話しますが、最後に一つだけ。アンケートでもありましたように、院長先生からのスタッフへの期待の上位、患者さんとの信頼関係作り、技術の向上。要するに衛生士として成長して欲しい、と言う思い。大抵のスタッフは気づいているんです。気づいていて、かつ、できていない自分をわかっているからこそ、先生に対して何も言えないのです。でもそのままでは何も変わりません。私は院長に対して意見を言わせていただけたことで、逆に自分自身の責任を感じました。言ったからにはやらねば!!と。決して穏やかな話し合いではありませんでしたが、話し合いから得たもの、次回お伝えいたします |

<プロフィール>
わたなべ歯科
歯科衛生士 長山和枝
略歴
2000年3月:歯科衛生士学校卒業。わたなべ歯科就職決定。
同年4月:わたなべ歯科新規開業。目の前のことにいっぱいいっぱい。
2001年:院長との関係、歯科衛生士の仕事に悩み苦しむ
2002年:セミナーや他院見学で多くを学び吸収できる余裕ができる。
2003年:院長と本気で話せるようになる。
2004年:診療室内が楽しくなる。感謝の気持ちが生まれる。
2005年:多くの出会いから成長させていただく場を沢山いただく。
2006年:スタッフの入れ替わりを乗り越え、安定した院内に。6新人教育が目下の課題。
埼玉県春日部市にありますわたなべ歯科に勤務しております。
歯科衛生士の長山です。新卒で新規開業のわたなべ歯科に勤務して7年。
ずっとわたなべ歯科におります。家族の誰よりも長く時間を共有する院長との関係作りや、自己研鑽のステップ、歩合給になり雇用形態が変化した後の変化など、お伝えしていけたらと思います。
所属勉強会
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いぬ占い:柴いぬ。味方にすれば優しくて頼れる人。敵にすれば一筋縄ではいかないこわい人。 |