管理者の視点「スタッフの意欲は十分に高いか?」その3
ビズ・ナビ&カンパニー 長田周三


マネジメントの視点の三つ目は、「スタッフの能力は十分に高いか?」です。「何をすべきか」わかっていて、それをしようとする「意欲」はあったとしても、それを実行する能力がなければ結果につながることはありません。もしスタッフの能力に十分でないと感じられるところがあれば、それを伸ばしてやることが重要なことなのです。今日は「スタッフの能力」に焦点を当てて考えて見ます。

日経新聞に掲載された“経団連による調査”の結果によると、会社員が自己啓発しない理由の上位3つは以下のようなものでした。(1)お金がない、(2)時間がない、(3)何をしたらいいかわからない、です。お金や時間がないというのは誰もが言うことで、たいした意味はありません。自己啓発にかけるお金はなくても、エステやネイルサロンにいくお金やバッグを買うお金はあるものです。自己啓発に充てる時間はなくても、カラオケや合コンに使う時間はあるのです。ですからこれは単にとってつけただけの理由に過ぎません、本当に問題と言えるのは、「何をしたらいいかわからない」と言うことです。

本来は大人になれば周囲を見渡して、「今自分に必要なことは何か」、「それをどのようにして身につければよいか」くらいは自分で考えてほしいものです。しかし現状はそうではないようです、たくさんの会社に伺いますが、それができている人はどこでも一握りです。恐らくわずか5%未満ではないでしょうか、実数を計測したことはありませんが感覚的にそう思います。

それではどうすればいいのか、これを三段階で示します。(1)仕事に必要な能力を網羅的に示す、(2)項目ごとに自己採点し5段階のレベルで表す、(3)幾つかを選択して年間の成長目標を立てる。このようにして、毎年優先順位をつけた幾つかの項目で成長を促すようにしていけば、一定の期間の中でかなりの成長が見込めます。そして大切なことは、「能力(何ができるか)」でなく「成長(何を伸ばしたか?)」を評価することです。

仕事に必要な能力を網羅的に示す

これをスキル・マトリックスと言います。分け方には通常二通りが用いられますが、どちらで分けても“モレなくダブリなく”必要な能力を表すことが肝心です。二通りの分け方 を参考までにお伝えします。どちらで考えても必要な答えは得られると思います。
「専門的技能」「考える技能」「対人技能」の三つにわけ、さらにそれを細分化していく。「知識(知っている)」「技能(できる)」「態度・行動(している)」の三つにわけ、さらにそれを細分化していく。

自己採点し、5段階のレベルで表す

ここでは優劣をつけるために採点するのではありません、自己の能力をできるだけ個別・客観的に分析して、目標を設定するためにレベルに分けることを理解してください。それぞれの特質や強み・弱みなども見えてきます。それを受け入れることから始まります。自己採点したものを元に上司と話し合い、レベルを決定します。

幾つかを選択して年間の成長目標を立てる

年間に3つ程度の目標を設定するのが適切のようです。あまり多いと、結局どれもこれもになってアブハチ採らずになってしまいます。またあまりに少ないと成長に時間がかかりすぎてしまいます。大事なことは「成長したこと」を認めてやることです、これは言葉をかけることも必要ですし、より高度な仕事を任せることでも伝えられます。
また、評価制度の中にも必ず「成長」を何パーセントかは加重平均で評価してください。「成長を評価する」と言うことは、「成長することが大切だよ」という院長からのメッセージにほかなりません。

以上のように(1)仕事に必要な能力を網羅的に示す、(2)項目ごとに自己採点し5段階のレベルで表す、(3)幾つかを選択して年間の成長目標を立てる、というプロセスをまわして行くことでスタッフの成長に拍車をかけることができます。その際に大事なことは制度を作ることもさることながら、「成長を認める」と言う院の風土であることを忘れずに。

<プロフィール>
ビズ・ナビ&カンパニー
長田周三

1952年3月12日山口県下関市生まれ

2006年現在 オーストラリア ボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 在籍
中小企業大学校講師・九州生産性本部講師・日本経営協会講師

【職歴】
1974年 ECC外語学院で英語講師として勤務
1979年 株式会社アイエスエイ入社、大学・短期大学・専門学校・私立高校・公立高校への国際教育プログラムの企画提案・営業・営業管理に従事
コーチングファーム・ナビゲーター設立
中小企業経営者へのコーチング、ビジネス・スキル・ワークショップを開催する
株式会社ビジネス・ナビゲーター設立
企業への教育・研修と中小企業への経営コンサルティングを行う
2005年株式会社ビズ・ナビ&カンパニーを設立し、代表取締役社長に就任

【実績】
コンサルティング実績
・ビルメンテナンス会社
営業戦略の構築と実行支援
・飲食業/ 結婚式場
組織戦略の構築と実行支援
・税理士事務所
目標管理制度の構築と運営支援
・住宅建設会社
営業戦略の構築と実行支援
・アパート建設会社
営業幹部育成・営業戦略の構築と実行支援
・土木建設会社
営業幹部育成と営業体系構築
・製造小売業(製造・卸)営業幹部育成
・営業戦略の構築と実行支援

研修実績
・経営管理者養成講座
・営業管理者養成講座
・目標管理制度の構築
・ 中堅営業担当者の為の科学的営業
・マーケティング発想の営業 ・営業コーチング
・ 個人情報保護とマーケティングの視点
・問題解決と論理的思考
・ 論理的プレゼンテーション

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