管理者の視点「スタッフの意欲は十分に高いか?」
ビズ・ナビ&カンパニー 長田周三


今回は「スタッフの意欲は十分に高いか?」です。仕事の成果は大きく分けて二つの要素で構成されます。「仕事の成果」=「スタッフの能力」×「スタッフの意欲」です、つまり成果とは能力と意欲によって決まるものです。それでは意欲とは一体何かということを考えて見ましょう。ある人によると、以下のように定義付けています。

1.意欲 = 個人が何かをするために投入する努力の量
どれだけ一所懸命に力や時間を惜しまずに仕事に取り組んでくれるかです。

2.意欲 = 従業員の職場における行動につながる心理
好ましい行動をとるか、或いは好ましくない行動をとるかを決めるものです。

3.意欲 = 組織の目標達成に向けて、より努力する意思
組織の目標を自分の目標として、心から「達成したい」と思ってくれることです。

つまり意欲が高ければ、「組織目標達成」のために、「好ましい行動」を「時間を惜しまずに」とり続けてくれます。能力のレベルが同じであるなら、意欲が高いほうがより大きな成果を挙げてくれます。意欲を高めるには、「風土」と「制度」の両面からの取り組みが有効です。この意欲に関わる理論がいくつかありますのでご紹介します、大きくは「コンテンツ理論」と「プロセス理論」に分けることができます。理論といって馬鹿にせずに、皆さん自身で日常の仕事の中に置き換えて活用してください。

コンテンツ理論は「何が人の意欲を高めるか」に焦点を当てたもので、マズローの「欲求五段階説」やハーツバーグの「衛生要因・動機付け要因」などが有名です。
一方プロセス理論は「どうやって人の意欲を高めるか」に焦点を当てたもので、「目標設定理論」、「期待理論」、「強化・学習理論」、「公平理論」があります。現在では「プロセス理論」の方が優勢で、意欲を高めるには有効に働くと考えられています。


<目標設定理論>
■人は何かの目標を立てて達成しようとするときに、モチベーションが高くなる。目標はあいまいなものよりも明確(SMART)なものの方がよい。
⇒例えば「ヤセル」より「体重を6月末までに5kg減らす」「ウエストを6月末までに3cm減らす」などのほうが、何をすればいいのかが分かりやすいですね。
■簡単な目標を立てた場合より、難しいけど何とかなりそうな目標を立てた時によりよい結果につながることが多い
⇒達成したときに自分の「成長」を実感できることです。成長=できないと思っていたことができるようになる、と考えると分かりやすいでしょう。「できて当たり前」では成長の実感は得られません。
■一般的に人は目標設定に加わったときに、より達成意欲が高くなる。
→上司から与えられたものより、自分が「これをやろう」と思った事のほうが本気になれるものです。

<期待理論>
期待の種類には3種類があり、それを充たした場合に意欲を発揮すると言われます。
1.努力⇒行動:やった場合に「うまくいく」かどうかを考える
→「やればできそう」と思えるかどうかです。「やれそうもないこと」と思った瞬間に、意欲をなくしてしまうのです。権限や道具、上司の支援、予算、難易度などが制約条件になります。
2.行動⇒結果:うまくいったときに「与えられる報酬」が割に合うかを考える
→例えば何かをすれば「褒めて貰える」、「感謝の言葉がある」、「休暇がもらえる」など様々です。報酬とは決して金銭的なものだけではありません。        
3.更なる期待: 直後の報酬が、更に将来に好ましい影響がある場合にもっと頑張る
→たとえば「褒められる」だけでなく、その評価が「昇進につながる」「より高い仕事を与えられる」などにつながることが予想されるときに、より意欲的になるのです。

<強化・学習理論>
人は「自分がやったことの結果から学習して、その後の行動を決定する」という考え方です。
■人は、自分がやったことに対して褒められたり認められたりした場合に、その行動を繰り返す傾向がある。もし誰もその行動に対して認めない場合には、止めてしまうことが多い。
→肯定的なフィードバックが人を意欲的にするということです。何かに挑戦して失敗したとしても、「よく挑戦したね」と声をかければ、「もう一度挑戦しよう」という気にさせ、それが次の成功につながっていきます。「誰も見てくれない」と感じると、せっかくの行動を止めてしまいます。
■人は、自分がやったことの結果が思わしくない場合や、その行動をとがめられた場合に、普通は当面その行動を止めることが多い。しかしとがめることは、その行動がなくなることを保証するものではない。
→交通違反が良い例です。つかまった直後は違反行為を止めますが、しばらくするとまた同じような違反を繰り返す人が多いようです。「喉もと過ぎれば熱さを忘れる」ですね。

<公平理論>
■「提供したもの」(能力・経験・時間・努力のレベル・成績・熱心さ・勤務年数)と、「得られたもの」(給料・ボーナス・労働環境・福利厚生・研修機会)が他人と比べてバランスが取れていると感じることです。
→「私のほうが頑張っているのに・・・」「私のほうができるのに・・・」「私のほうが・・・」と枚挙に暇がありません。人は周囲の誰かと比較して、何かを不公平と感じた場合に不満を溜め、意欲が低下します。
 また公平には「分配(結果)の公平」と「過程の公平」があり、前者は実現が難しいですが、後者、すなわち「過程の公平」により対応することが現実的です。これには「評価制度」や「目標管理制度」を納得性の高いものを構築することが効果的です。


<プロフィール>
ビズ・ナビ&カンパニー
長田周三

1952年3月12日山口県下関市生まれ

2006年現在 オーストラリア ボンド大学 大学院 経営学修士課程(MBA) 在籍
中小企業大学校講師・九州生産性本部講師・日本経営協会講師

【職歴】
1974年 ECC外語学院で英語講師として勤務
1979年 株式会社アイエスエイ入社、大学・短期大学・専門学校・私立高校・公立高校への国際教育プログラムの企画提案・営業・営業管理に従事
コーチングファーム・ナビゲーター設立
中小企業経営者へのコーチング、ビジネス・スキル・ワークショップを開催する
株式会社ビジネス・ナビゲーター設立
企業への教育・研修と中小企業への経営コンサルティングを行う
2005年株式会社ビズ・ナビ&カンパニーを設立し、代表取締役社長に就任

【実績】
コンサルティング実績
・ビルメンテナンス会社
営業戦略の構築と実行支援
・飲食業/ 結婚式場
組織戦略の構築と実行支援
・税理士事務所
目標管理制度の構築と運営支援
・住宅建設会社
営業戦略の構築と実行支援
・アパート建設会社
営業幹部育成・営業戦略の構築と実行支援
・土木建設会社
営業幹部育成と営業体系構築
・製造小売業(製造・卸)営業幹部育成
・営業戦略の構築と実行支援

研修実績
・経営管理者養成講座
・営業管理者養成講座
・目標管理制度の構築
・ 中堅営業担当者の為の科学的営業
・マーケティング発想の営業 ・営業コーチング
・ 個人情報保護とマーケティングの視点
・問題解決と論理的思考
・ 論理的プレゼンテーション

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