「刷り込み」
株式会社ビジョナリープラネット取締役税理士 橋本和政


生まれてはじめて、見た、動く大きなものを、親と思う、ということは、『刷り込み』といわれ、動物の世界では、よく見られる行動だそうです。
テレビなどでも、よくとりあげられたりしているので、ご存知の方も多いかと思います。

この現象は、赤ちゃん特有のことではなく、おそらく大人にあっても同じことが、いえます。ビジネスの世界で考えてみると、学校を卒業した新入社員が、いちばんはじめに配属された職場で見られます。

つまり、これまでは、学校の机上の勉強ばかりで、実際にプロフェッショナルとして、働いたことのない人が、初めて就職して、仕事に真正面から向き合うようになる場面です。ここで、最初に見たり、聴いたりしたことは、スポンジが水を吸収するように、何の疑いもなく、勢いよく吸収されていきます。

こうした時期に、現在社会で問題化している、企業の不正行為が、指示されれば、新人はおそらく、「社会とは、あるいは、働くとは、こういうものなんだ。」と誤った認識をもってしまうことでしょう。
この時期に、先輩、上司などが新人に及ぼす影響を考えると、その重要さに、身がすくむ思いがします。

歯科医院においても、若い、あまり就業経験のない女性が、多く就職されます。不正行為というのは、まずないとは思いますが、そこで最初に接した先輩や上司の考え方や態度は、その新人の今後の人生に、たいへん大きな影響を及ぼします。人生とここで、あえてしたのは、働いているときは、もちろんのことですが、退職後の人生をも、大きく左右することになるからです。

いい先輩上司にめぐり合えれば、職場でも、その後の人生でも、その人は、光り輝くことができます。逆の場合だと……悲しい結果となります。

今も野球の世界で活躍される五輪日本代表監督の星野さんが、中日の監督を辞めることになった時に、当時の中心選手に、「星野監督は、どんな監督でしたか。」というマスコミのインタビューに、

『いつも見られている、という緊張感と、いつも見ていてくれる、という安心感のある監督でした。』

と、語っていました。私は、管理者のあるべき姿が、この言葉のなかに凝縮されている感じがして強く印象に残っています。

こんなふうに、言ってもらえるように、いつかなりたいですね。
<プロフィール>

株式会社ビジョナリープラネット取締役 税理士

経営の手段であるお金の流れを明確にし、脱どんぶり経営をしたいと思っているプラネットユーザーに「キャッシュフロー丸かじりレポート」を提供している。毎年数回開催するキャッシュフロー丸かじりセミナーで、個別の経営相談、税務相談も実施している。

橋本総合会計事務所
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