歯科治療の方向性が治療から予防へ大きくシフトしているといわれています。
予防は治療と違い、医院全体で患者さんに予防の必要性を啓蒙し、それをスタッフさんが主体で行うことになります。つまりヒトとヒトとのコミュニケーションによって成り立っています。治療のように歯科医師の裁量ですすめていけるものではなく、あくまで経営者である歯科医師はサポーターとしての役割を担うのです。
そういったヒトとヒトとのコミュニケーションを円滑にする手法に「コーチング」というものがあります。開業前に、ぜひ勉強されるといいと思います。
ご存知の方は多いと思いますが、改めて説明しますと、コーチングとは、こちらが一方的に指示をするのではなく、相手の話をよく聴き、その中から相手が目指す方向へ導くコミュニケーションの方法です。
開業するためには、診療圏を検討した立地から医院のデザイン、スタッフさんの採用、金融機関の融資の相談などやることがたくさんでてきます。
そういった実際の開業準備をはじめてしまうと非常に多忙になり、さらに開業した後も毎日が診療に追われます(余談ですが、会計事務所としていろいろな業種の経営者を見ていますが、歯科医師ほど忙しいお仕事はないと思っています)ので、なかなか「コーチング」を学んでいる時間がとれません。
経営者は多忙なため、スタッフさんたちとゆっくり会話をする時間がなく、話を聴いて相手を導く質問を投げかけるよりも、いきなり指示命令する場合が多くなります。もちろん経験の少ないスタッフさんには教育が必要な場合もありますので、コーチングは万能ではありませんが、コミュニケーション社会と言われる現代こそ、経営者の基本スキルのひとつになってきていると言われています。GEのジャック・ウェルチ氏も20代のビジネス経験の少ない女性コーチと専属契約し、成果をあげたといわれています。
そして、最終的には「きちんと聴いたよ」「それについてこんなことを感じたよ」という「承認」のメッセージを心からスタッフさんに感じてもらうことが重要です。
良くても悪くても結果を受け止め、苦労や努力を認めたり、相手が一番喜ぶであろう方法(人によって同じ褒められ方では喜ばないので)で褒めたりすることが重要だと思います。それを続けることにより、相手は「自分がいなくてもいいのではないか」というような不安をもたず、存在を認めてもらっているという人間の原点の喜びを感じられるのです。
みなさんも歯科医院にお勤めの経験があると思いますが、トップの院長先生から認めてもらえればうれしいと思います。それをより効果的にできるように、やはり技術が必要なのです。
いろいろ勉強することがありますが、まわりの方に助けていただきながら成長されることを期待しています。 |
<プロフィール>

株式会社ビジョナリープラネット取締役 税理士
経営の手段であるお金の流れを明確にし、脱どんぶり経営をしたいと思っているプラネットユーザーに「キャッシュフロー丸かじりレポート」を提供している。毎年数回開催するキャッシュフロー丸かじりセミナーで、個別の経営相談、税務相談も実施している。
橋本総合会計事務所
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