国民アンケート調査 DDL (デンタルデータライブラリ)


第50回 国民アンケート調査報告
「現在かかりつけの歯科医院での定期検診」

調査対象期間:2010年6月11日〜6月24日

今回は、現在かかりつけの歯科医院での定期検診についてアンケート調査を行った。

Q5では、かかりつけの歯科医院が通いやすい距離にあるかどうかを調査した。
Q6では、かかりつけの歯科医院の予約の取りやすさについて調査した。
Q7では、かかりつけの歯科医院は治療が上手かどうか調査した。
Q8では、かかりつけの歯科医院の雰囲気について調査した。
Q9では、かかりつけの歯科医院は親切かどうかについて調査した。
Q10では、かかりつけの歯科医院は十分に説明するかについて調査した。
Q11では、かかりつけの歯科医院は清潔さについて調査した。
Q12では、かかりつけの歯科医院は分かりやすい料金体系かどうかについて調査した。
Q13では、かかりつけの歯科医院は適正な料金かどうかを調査した。
Q14では、かかりつけの歯科医院での定期検診の有無を調査した。
Q15では、Q14の質問で「はい」と答えた人に対して、今後も定期検診を受けるかどうかを調査した。


1. 調査結果要約

今回の調査から、次のような事が分かった。

  1. かかりつけの歯科医院では3人に1人の割合で定期検診を受けている。
  2. かかりつけの歯科医院で定期検診を受けている患者さんは、分かりやすい料金体系を示して、かつその料金が適正だと考えている患者さんが受けている傾向が強い。
  3. 2回目以降、継続的に定期検診を行っている患者さんは、歯科医院が話やすい雰囲気でドクターの治療が上手だと感じている傾向が強い。

2. 調査結果

Q1)年齢 Q2)性別 Q3)職業 Q4)地域別

回答者は1746人。このうち男性が51%、女性が49%。
回答者を年齢別に見ると、10代が3%、20代が20%、30代が32%、40代が24%、50代が14%、60代が6%となった。職業別に見ると、39%が会社員で次いで、主婦が21%、パート・アルバイトが11%を占めている。
地域別に見ると22%が都市型、78%が郊外型の歯科医院を利用している。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図5]

Q5
かかりつけの歯医者さんは、
通いやすい距離にありますか?


Q5では、かかりつけの歯科医院が通いやすい距離にあるかどうかを調査した(図5参照)
「かかりつけの歯医者さんは、通いやすい距離にありますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」3%、「そう思わない」14%、「どちらでもない」17%、「そう思う」44%、「すごくそう思う」22%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図6]

Q6
かかりつけの歯医者さんは、
予約がとりやすいですか?


Q6では、かかりつけの歯科医院の予約の取りやすさについて調査した(図6参照)
「かかりつけの歯医者さんは、予約がとりやすいですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」17%、「どちらでもない」22%、「そう思う」48%、「すごくそう思う」11%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図7]

Q7
かかりつけの歯医者さんは、
治療が上手ですか?

Q7では、かかりつけの歯科医院は治療が上手かどうか調査した(図7参照)
「かかりつけの歯医者さんは、治療が上手ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」6%、「どちらでもない」30%、「そう思う」50%、「すごくそう思う」13%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図8]

Q8
かかりつけの歯医者さんは、
話しやすい雰囲気ですか?


Q8では、かかりつけの歯科医院の雰囲気について調査した(図8参照)
「かかりつけの歯医者さんは、話しやすい雰囲気ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」10%、「どちらでもない」23%、「そう思う」50%、「すごくそう思う」15%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図9]

Q9
かかりつけの歯医者さんは、
ドクターやスタッフが親切ですか?


Q9では、かかりつけの歯科医院は親切かどうかについて調査した(図9参照)
「かかりつけの歯医者さんは、ドクターやスタッフが親切ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」6%、「どちらでもない」18%、「そう思う」56%、「すごくそう思う」19%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図10]

Q10
かかりつけの歯医者さんは、
十分に説明をしてくれますか?


Q10では、かかりつけの歯科医院は十分に説明するかについて調査した(図10参照)
「かかりつけの歯医者さんは、十分に説明をしてくれますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」8%、「どちらでもない」18%、「そう思う」53%、「すごくそう思う」20%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図11]

Q11
かかりつけの歯医者さんは、
院内が清潔ですか?


Q11では、かかりつけの歯科医院は清潔さについて調査した(図11参照)
「かかりつけの歯医者さんは、院内が清潔ですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」1%、「そう思わない」5%、「どちらでもない」14%、「そう思う」56%、「すごくそう思う」24%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図12]

Q12
かかりつけの歯医者さんは、
料金体系がわかりやすいですか?


Q12では、かかりつけの歯科医院は分かりやすい料金体系かどうかについて調査した(図12参照)
「かかりつけの歯医者さんは、料金体系がわかりやすいですか?」という質問に対して、「全くそう思わない」7%、「そう思わない」24%、「どちらでもない」40%、「そう思う」25%、「すごくそう思う」4%となった。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図13]

Q13
かかりつけの歯医者さんは、
料金が適正だと思いますか?


Q13では、かかりつけの歯科医院は適正な料金かどうかを調査した(図13参照)
「かかりつけの歯医者さんは、料金が適正だと思いますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」9%、「どちらでもない」44%、「そう思う」39%、「すごくそう思う」6%となった。

はい
いいえ

[図14]

Q14
あなたは、かかりつけの歯医者さんで
定期検診を受けていますか?


Q14では、かかりつけの歯科医院での定期検診の有無を調査した(図14参照)
「あなたは、かかりつけの歯医者さんで定期検診を受けていますか?」という質問に対して、「はい」35%、「いいえ」65%となった。3人に1人の割合でかかりつけの歯科医院で定期検診を受けた経験がある事がわかる。

すごくそう思う
そう思う
どちらでもない
そう思わない
全くそう思わない

[図15]

Q15
今後もかかりつけの歯医者さんで
定期検診を続けようと思いますか?


Q15では、Q14の質問で「はい」と答えた人に対して、今後も定期検診を受けるかどうかを調査した(図15参照)
「上記で「はい」と答えた方にお聞きします。今後もかかりつけの歯医者さんで定期検診を続けようと思いますか?」という質問に対して、「全くそう思わない」2%、「そう思わない」7%、「どちらでもない」15%、「そう思う」57%、「すごくそう思う」19%となった。

全くそう思わない そう思わない どちらでもない
そう思う すごくそう思う
[図16-1]

定期検診に来てもらうための要因


今回は、かかりつけの歯科医院における定期検診についてアンケート調査を行った。定期検診について、初回を利用する人、2回目以降を利用する人、どのような特徴があるのか調べた。

分析手法は、CS分析の手法を用いた。かかりつけの歯科医院で定期検診の経験がある人は、Q5からQ13の項目のうち、どの項目を重視しているのか?を調べ、どの項目を高めると、1回目の定期検診に患者さんが行きやすくなる傾向があるか特定した。

Q5からQ13の各質問において、5段階に対する回答者の割合を示す(図16-1参照)。


[表16-1]


[図16-2]

続いて、目的変数であるQ14の「かかりつけの歯科医院での定期検診の経験」とQ5からQ13までのそれぞれの項目の関連の強さを調べて、表16-1に示す。

満足度(%)は、各項目の「そう思う」「すごくそう思う」の合計の割合を示す。重要度は、各評価項目(Q5からQ13)と目的変数Q14とのクロス集計を行い、それぞれのクロス集計について独立変数を算出したものである。重要度が高ければ、目的変数の要素を高める要因と判断できる。
満足度偏差値は各評価項目の満足度を偏差値に換算したものである。同様に、重要度偏差値も各評価項目の重要度を偏差値に換算したものである。
満足度偏差値を縦軸に、重要度偏差値を横軸にプロットし、CSグラフを作成した(図16-2参照)。CSグラフから重要度が高いにもかかわらず、満足度が低い項目は優先的に改善すべきことがわかる(CSグラフの右下部分に相当する)。

以上より、かかりつけの歯科医院において、初回の定期検診を行っていただくためには、料金体系を分かりやすくする事と、その料金を適正だと捉えてもらうことが大切なことが言える。


[表16-2]


[図16-3]

次に、目的変数をQ15の「再び定期検診を受けたいと思うか?」に変更して、上記と同様の分析を行った。この分析の目的は、2回目以降の定期検診に来ていただくための要素は何が重要なのか?を抽出するためである。目的変数であるQ15とQ5からQ13までのそれぞれの項目の関連の強さを調べて表16-2に示す。

満足度偏差値を縦軸に、重要度偏差値を横軸にプロットし、CSグラフを作成した(図16-3参照)。CSグラフから重要度が高いにもかかわらず、満足度が低い項目は優先的に改善すべきことがわかる(CSグラフの右下部分に相当する)。

以上より、かかりつけの歯科医院において、継続的に定期検診に来ていただくためには、話やすい雰囲気があると思っていただくことと、治療が上手だと認知してもらう事が大切なことだと言える。

DDLとは?

DDLは、株式会社ビズ・ナビ&カンパニー 早嶋聡史氏の協力のもと、プラネットが運営する「デンタルシャーロック」から一般の国民に向けて行っています。アンケート対象者は国民ですが、今後は歯科に関わるデンタルスタッフのアンケート結果も定期的に発信していきます。 ぜひ歯科医院の経営や戦略にお役立て下さい。


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監修

株式会社ビズ・ナビ&カンパニー
マーケティング担当取締役
早嶋 聡史

早嶋聡史オーストラリア・ボンド大学大学院経営学修士課程修了(MBA)
D7 Partner's Clubメンバー向けに「DentalX活用術と売り上げアップ5つの視点〜入門編〜」講師を務め、中四国・九州地区にて好評開催中。


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